水槽・プール・地下室などの圧力水が作用するような、特に水密性(水の浸入や透過に対する抵抗性)を要求される構造物に使用されるコンクリート。
水密コンクリートは、硬化後に水を通しにくく(透水性が少ない)、水の拡散しにくいコンクリートのことで、下記のような点を考慮してコンクリートを製造し、均等な打ち込み、十分な締め固め養生がが必要です。
- 単位水量をできるだけ少なくし、またスランプを小さくして(土木では8cm以下、建築では15cm以下)ひび割れの発生をできるだけ抑える。
- 水セメント比は、土木学会では55%以下、建築学会でも55%以下と規定されている。水セメント比が55~60%以上になるとコンクリートの水密性は非常に減少するから、水セメント比はなるべく小さくして、ブリーディング(浮水)による水みちや、硬化したセメントペースト中の孔隙を少なくする。
- 粗骨材の粒が大きいほど施工後に下面に空隙ができやすく、水密性が低下するので、粗骨材の最大寸法を一般の場合より小さくする。また粗骨材はできるだけ粒形の良い(実績率の大きい)ものを用いる。
- 十分に湿潤が保たれる構造物には、フライアッシュや高炉スラグ粉末のような混和剤またはそれらの混合セメントを用いて、コンクリート中の孔隙が充てんされるようにする。